ISMS-PIMS認証に関するFAQ
PI-10. ISMS-PIMS認証の認証基準について
認証基準:
Q.PI-101 :
ISMS-PIMS認証の認証基準は何ですか?
A.
ISMS-PIMS認証の認証基準は、
「ISO/IEC 27701:2019 プライバシー情報マネジメントのためのISO/IEC 27001 及び ISO/IEC 27002 の拡張 -要求事項及び指針-」
です。
※日本規格協会から入手可能です(日本語訳あり)
ISO/IEC 27701とは:
Q.PI-102 :
ISO/IEC 27701とは、どのような規格でしょうか? JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)とは、何が違うのでしょうか?
A.
ISO/IEC 27701は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の要求事項が規定されている JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)及び指針(ガイドライン)である JIS Q 27002(ISO/IEC 27002)を拡張し、プライバシー情報マネジメントのための要求事項と指針を追加したものです。
JIS Q 27001(ISO/IEC 27001)や JIS Q 27002(ISO/IEC 27002)の目的が情報セキュリティであるのに対し、ISO/IEC 27701の目的は情報セキュリティ及びプライバシーです。
要求事項:
Q.PI-103 : .
ISO/IEC 27701における要求事項はどのようなものですか?
A.
ISO/IEC 27701では、PIIを取り扱う組織の役割として「PII管理者」と「PII処理者」という2つを定義しており、それぞれの役割について異なる要求事項が規定されています。
組織の役割がPII管理者であれば、「箇条5」と「附属書A(規定)」が要求事項となり、
組織の役割がPII処理者であれば、「箇条5」と「附属書B(規定)」が要求事項となります。
組織が両方の役割の場合、「箇条5」と「附属書A(規定)」と「附属書B(規定)」となります。
なお、「箇条6」、「箇条7」、「箇条8」は指針(ガイドライン)という位置づけです。
PI-20. PII管理者とPII処理者について
PII管理者とPII処理者:
Q.PI-201 :
PII管理者とPII処理者とは何ですか?
A.
ISO/IEC 27701では、組織の役割を2種類に分類し、管理策を規定しています。PII管理者やPII処理者の定義は、JIS X 9250:2017(ISO/IEC 29100:2011)によります。
PII管理者によるPIIの処理:
Q.PI-202 :
PII管理者はPIIの処理をすることがありますか?
A.
あります。PII管理者は、PII管理者としてPIIを管理するのみではなく、PII管理者としてPIIを処理することもあります。
PII処理者によるPIIの管理:
Q.PI-203 :
PII処理者はPIIを管理することがありますか?
A.
あります。
PII処理者は、PII処理者としてPIIを処理すると共に、例えば、ISO/IEC 27701:2019の箇条5で要求されているようにPII処理者としてPIIを管理することも必要です。
PII管理者とPII処理者の違い:
Q.PI-204 :
PII管理者とPII処理者のPIIの取り扱いにおける違いは何ですか?
A.
PII管理者とPII処理者との違いは、PIIを取り扱うにあたって、自らの意思が入るか、入らないかといえます。自らの意思でPIIを取り扱う目的や方法を決めている場合には、PII管理者となります。自らの意思が入らず、PII管理者から指示されたとおりにのみPIIを取り扱う場合には、PII処理者となります。
Q.PI-205 :
PII管理者とPII処理者では、ISO/IEC 27701の要求事項は異なるのでしょうか?
A.
同じ要求事項と異なる要求事項があります。
PII管理者への要求事項の箇条は、「箇条5」と「附属書A(規定)」となります。
PII処理者への要求事項の箇条は「箇条5」と「附属書B(規定)」となります。
PI-30. 認証について
ISMS-PIMS認証の前提:
Q.PI-301 :
ISMS-PIMS認証は、ISMS認証を取得しいなくても取得できますか?
A.
できません。
ISMS-PIMS認証の取得は、ISMS認証を取得していることが前提となっています。なお、ISMS認証とISMS-PIMS認証の両方を新規で取得することは可能です。
認証の範囲:
Q.PI-302 :
ISMS-PIMS認証を取得したい範囲が、現在のISMS認証の認証範囲に含まれていないのですが、ISMS-PIMS認証を取得できますか?
A.
ISMS-PIMS認証の範囲は、取得済みのISMS認証の範囲と同一か、範囲に含まれていなければなりません(ISMS認証の範囲≧ISMS-PIMS認証の範囲)。ISMS-PIMS認証を取得したい範囲に、ISMS認証の範囲外の部分がある場合は、ISMS-PIMS認証の範囲を含めた形で、現在のISMSの認証範囲を拡大するなどの対応が必要となります。
有効期限:
Q.PI-303 :
ISMS-PIMS認証の有効期限は、ISMS-PIMS認証を取得してから3年ですか?
A.
ISMS-PIMS認証は、ISMS認証を取得していることを前提としているので、ISMS-PIMS認証の有効期限が、ISMS認証の有効期限を超えることはありません。
例えば、2023年6月に有効期限を迎えるISMS認証を取得していて、2022年4月に新たにISMS-PIMS認証を取得した場合、ISMS-PIMS認証の有効期限は、ISMS認証の有効期限と同じ2023年6月となります。
認証の一時停止や取消し
Q.PI-304 :
ISMS認証が一時停止や取消しになった場合は、ISMS-PIMS認証はどうなりますか?
A.
ISMS-PIMS認証はISMS認証の取得が前提となっていますので、前提となるISMS認証が一時停止や取消しになった場合には、ISMS-PIMS認証も一時停止や取消しになります。
なお、ISMS-PIMS認証が一時停止や取消しとなった場合は、その理由やISMSへの影響等により、前提となるISMS認証も一時停止や取消しとなる場合もあります。
ISMS-PIMS認証と ISO/IEC 27701認証:
Q.PI-305 :
ISMS-PIMS認証と、ISO/IEC 27701認証は、同じものですか?
A.
認証基準としてISO/IEC 27701を用いるという点では、両者に違いはありません。