第15回PAC年次総会出席報告
2008年7月24日
期間:2008年6月22日(日)〜6月28日(土) 場所: マレーシア、クアラルンプール Kuala Lumpur Convention Center 目的:PAC(Pacific Accreditation Cooperation:太平洋認定機関協力機構)年次総会出席 出席国:アメリカ(ANSI)、カナダ(SCC)、日本(JAB、JASC、JIPDEC)、韓国(KAB、KAR、KATS)、中国(CNAS)、台湾(TAF)、香港(HKAS)、インド(NABCB、TCL)、タイ(NAC)、ベトナム(BoA)、マレーシア(Standards Malaysia)、シンガポール(SAC)、インドネシア(KAN)、フィリピン(PAO)、オーストラリア(JAS-ANZ) 認証機関連盟:AACBF(アジア認証機関連盟)、IIOC(独立国際審査登録機関機構) IAF地域グループ:EA、IAAC その他:APLAC(アジア太平洋試験所認定機関協力機構) パプアニューギニア 規格関連の国家組織 PTB(National Metrology Institute of Germany:ドイツ連邦経済協力開発省下での活動組織)
T.オープニングセレモニー及びセミナー U.オープンフォーラム V.TC(技術委員会) W.CMC(広報委員会) X.DPC(プログラム開発委員会) Y.ISO/IEC 17024(要員の認証を実施する機関に対する一般要求事項)ついての研修 Z.オフィシャルディナー(MLA調印式) [.総会(写真参照) 【各プログラムの概要】 T.オープニングセレモニー及びセミナー ホスト国マレーシアの認定機関Standards Malaysia所長の挨拶に続き、以下の内容で講演が行われた。 U.オープンフォーラム PAC Strategic Plan EC(理事会)が絞り込んだ以下の主要検討課題6項目について、予め6つに分けられたグループごとにディスカッションを行った後、各グループの代表者がプレゼンテーションを行った。各グループから出された意見の内容については、ECで統括して後日報告することとなった。
IAF/ILACの合同活動の有効性を強化していくことが、すでに2006年のIAF/ILAC合同総会で承認されている。今後の協力体制についてPACとしての意見を総括したものは、IAF/ILACのJCCC(Joint Committee for Closer Cooperation)を通して10月のIAF/ILAC合同総会(ストックホルム)に送られ、再度討議される。 V.TC(技術委員会) 議長Joan Brough-Kerrebyn氏 (SCC) IAF TC(3月、ボンにて開催)についての報告 ・IAF TCの決定の記録について TCの決定事項はTCメンバー内部向けのものだが、この記録は強制力を持つ正式文書という性質のものではなく、会議後逐次更新して参照できるようにすることが目的であるので、引き続きWebサイトに掲載することになった。 ) ・ISO/IEC 20000についてのWG ISO/IEC 20000についてのIAF必須文書は2009年5月発行を目指している。ISO/IEC 17021-2の内容も考慮するとしているが、17021-2の発行を待たずにIAF文書を公表する予定である。 ・IAF Strategic Initiatives 5 Expected Outcomes for ISO 9001 and ISO 14001 エンドユーザーからのフィードバックを取り入れ、ISO 9001及びISO 14001によって期待される成果について声明文を出し、2008年3月のエンドユーザー諮問委員会へのインプットとする予定であったが、この声明文の採否についての投票は定足数に達せず、承認されなかった。IAF EC(7月にパリで開催)で再度見直される予定とのことである。 ・ISO9001:2008 への移行期間に関するIAF文書について 移行期間を3年間とし、前回の版(ISO 90001:2000)に対して追加の要求事項はなし。サーベイランス、更新審査時に差分をチェックする。但し要求事項について明確にするための新しい文言があり、その解釈について誤解が生じる可能性がある。追加の審査は必要でないとしても、何をチェックするべきかを明確にする必要がある。 ・Directory of Certified Organizations (被認証顧客の登録簿) 被認証顧客の登録簿に対する要求事項の解釈について、議論があった。ISO/IEC 17021 8.3では、「認証機関は、各認証顧客について、最小限、名称、関連規準文書、認証の範囲及び例えば、国及び市のような地理的所在地を示す有効な認証の登録簿を、認証機関が選択する手段で維持し、公にアクセス可能にするか、又は要請に応じて提供しなければならない。」と規定されている。一方ISO/IEC 17021 8.1.4では、「認証機関は、外部からの要請があった場合、該当する認証の有効性を確認する手段を提供しなければならない。」としている。 ISO/IEC 17021の適用の解釈についてはIAF TCでも議論した結果、「Webサイトで認証番号を入力することで認証の有効性について確認できる手段を提供することにより、認証機関はISO/IEC 17021 8.1.4には適合していると言えるが、ISO/IEC 17021 8.3には適合しているとは言えない。」として合意された。これは透明性の確保のためである。8.3の要求事項については、認定機関、認証機関によって判断が異なり、適用について認証機関間で整合がとれていないことが多い。 Structure of PAC TC PAC TCの目的の1つは、特にIAFメンバーでないPACメンバーへの情報提供であるため、専門的な内容について突っ込んだ議論ができないとしてもある程度はやむを得ないが、CFA(国外認定)の問題、整合性の取れたドキュメントの策定、IAFに提案する内容の策定等、小委員会を作って話し合うべき内容は多い。Action Itemの内容によってWG等が必要であると判断すれば、議長、副議長がその設置を決定することとなった。 その他 インドの認証機関TCLから、政府調達入札における認証機関とコンサルティング会社の関係等の問題についてプレゼンテーションがあり、活発な議論が行われた。 本TCにおけるAction Itemの確認 @ TCLから報告のあったインドでの問題について、タスクフォース設置(9月初旬ごろ報告)。 A 「国外認定ポリシーのための協定に対するPAC指針」についての文書採択 W.CMC(広報委員会) 議長 Lane Hallenback氏 (ANSI) Webサイトの改善 サイトマップ、ヒットカウンターの設置、IAAC、IAF等へのリンクなどの改善を施した。 現在サイト内のサーチ機能はないが、経費的に許容範囲であれば対処するとのことである。 Newsletter 前回総会の決議として、Newsletter作成のためのWGが設立された。CMCが発行者として責任を負い、ECの承認を得る。メンバーは2年毎に見直す。 Newsletterは年2回発行を目標とし、Plenary前にPlenaryの話題を中心にしたものを発行。Plenary後、一般的な内容のものを発行。Webサイトにもアップする。但し、機関のCEOの交替等、随時公表が必要なものは、ニュースリリースのコーナーに掲載し、かつその旨事務局からメンバーにMLで告知する。 Newsletterの記事は、PACメンバーだけでなくEA等からも受け付けることとする。 PACパンフレット カラーで印刷したものが出席者に配布された。Information letterとともにWebサイトにアップする。 International Accreditation Day国際「認定の日」について 2008年6月9日第1回国際「認定の日」に際し、特別な活動を行ったメンバー機関から内容について報告があった。 X.DPC(プログラム開発委員会) 議長Venkat氏 (NABCB) Strategic plan 議長から、研修の機会を必要としている、特に開発途上国の認証機関の候補があったらDPCに提案してほしいとの要請があった。これにより地域のニーズを把握することができ、また新規メンバーを募集することにもつながる。 研修 議長から昨年の研修内容について報告があった。 2008〜2011の研修予定 その他計画表で候補となっている規格については特にメンバーの関心はみられなかったが、IAF MLAでのMLA拡大エリアについての話し合いでは、森林認証に拡大の可能性があるとのことであった。 今後実施予定のその他の研修 PTB Ulrick Diekman氏のプレゼンテーション Y.ISO/IEC 17024についての研修 (講師:Dr. Roy Swift) IAFのISO/IEC 17024 WGのDr. Roy Swift(ANSI)を講師として1日半の研修が行われた。60人以上が参加した。 Z. オフィシャルディナー(MLA調印式) 事前のECにより、DAC(ドバイ認定機関)の加盟が承認されていた(韓国の認証機関連盟、ICFについては保留となった)。 CNAS(中国)が製品認証におけるMLAに調印した。 [.総会 EC meetingからの報告 ・PACメンバーシップ フルメンバーの資格要件が、APEC経済圏のみならずアジア太平洋地域にまで拡大されたため、これまでアソシエイトメンバーだったNABCB、パキスタン、イランがフルメンバーとなった。従って、フルメンバーは新規加盟のDACを加えて22機関、アソシエイトメンバー2機関、合計24機関となった。 ・ECメンバーの選挙 任期満了に伴い、ECメンバーの選挙が行われた。 議長Elva Nilsen(SCC)、副議長Shinichi Iguchi(JAB)が再任。 Lane Hallenback(ANSI)は財務担当兼CMC議長、兼IAF CMCへのPAC代表者として選任された。 フルメンバー代表者としてXiao(CNAS)は任期をすでに2期終了しているので、総会の承認のもとに任期を延長した。IAF MLAMCへのPAC代表者も再度兼任することとなった。 フルメンバー代表者もう1名はVenkat(NABCB)が続投となった。 指名委員会にはAACBFのLorenzoniとStandards MalaysiaのKasimがECから任命された。 ・IAFによる評価 PACはIAFの地域機関として承認され、定期的に評価を受けている。昨年7月にピアエバリュエーションを受け(4年に1回の評価)、QMS、EMS、製品認証でのIAF MLAメンバーの継続を推奨された。今後もPACは、MLAを中心に主要な活動についてIAFへ随時報告する。 Quality Manager(Standards Malaysia、Kasim氏)からの報告 PAC文書は1年以上かけてすべての改版が終了し、統廃合により55文書から31文書になった。 旧文書との対応表で参照できる。改版はこの委員会の権限なので、ECの承認を求める必要はない。改版した文書は近日中にWebサイトにアップされる。 内部監査 内部監査は2007年12月にStandards Malaysiaによって実施された。認定機関に対する規格がISO/IEC 17011になり、またIAF/ILACがピアエバリュエーションについての要求事項を変更したので、“IAF MLA Policy and Procedure”に従ってPAC文書の改版を行わなければならなかった。今回の文書改版により、IAF文書と共通する部分はそのまま採用しているので、作業の重複が避けられるようになった。 2008年はTAFのChang氏を監査員として8月に実施する。 財務報告 財務監視委員会によれば、財務状態は良好で特に問題はなかった。2009年予算も承認された。 留保利益については、留保率を年間事業費の12ヵ月分から9ヵ月分に減らすことですでに合意が得られているが、残高が減ってきていることもあり、2009年の支出への留保利益からの拠出は昨年の7万豪ドルから約半分の32000豪ドルに削減した。メンバーの年会費は約10%増額することとなった。 PACの法人化 MLAプログラムの拡大 MLAグループミーティングの結果、以下の3分野へのMLA拡大が提案された。 PAC議長から、これはグループの総意での提案なのかとの確認がなされた(FSMS、要員認証については昨年から提案されていたことであるが、新たにISMSのMLAが必要なのか等)。 採決の結果、特に質問、議論等なく、3分野へのMLA拡大について承認された。 7月初めパリでIAF EC、MLAMCが開催されるので、PAC代表から提案する。 PAC運営の改善 前回総会で出された案に基づき、以下のような改善が行われた。 Liaison Reportの概要 IAF Liaison及びその他メンバー機関(CNAS、JASC、TAF)から活動状況について報告があった。 次回(第16回)総会会期及び開催地 2009年6月13日〜20日 台北 (TAF主催) |