第14回PAC年次総会出席報告

2007年8月29日
(財)日本情報処理開発協会
情報マネジメント推進センター


期間:2007年7月7日(日)〜7月14日(土)

場所:シンガポール、Grand Copthorne Waterfront Hotel Conference Center

目的:PAC (Pacific Accreditation Cooperation:太平洋認定協力) 年次総会出席

出席国:アメリカ(ANAB、ANSI)、カナダ(SCC)、ブラジル(INMETRO)、メキシコ(ema)、日本(JAB、JASC、JIPDEC)、韓国(KAB、KAS、KTR)、中国(CNAS、CNCA、CCAA)、台湾(TAF)、香港(HKAS)、インド(NABCB、TCL)、パキスタン(PNAC)、タイ(NAC)、ベトナム(BoA/STAMEQ)、マレーシア(Standards Malaysia)、シンガポール(SAC)、インドネシア(KAN)、フィリピン(PAO)、オーストラリア(JAS-ANZ)
メンバー機関の他、PACの活動拡大を目的として招聘した南アフリカ共和国の認定機関、ブラジルの認定機関(INMETRO)、ドイツの認定機関(PTB)、現在認定機関として申請中のブルネイ(NSAC)の機関等からの出席者もあった。

PAC年次総会プログラム
  1. ホスト国シンガポールの認定機関SACによるセミナー
  2. CMC(広報委員会)
  3. DPC(プログラム開発委員会)
  4. TC(技術委員会)
  5. 認定機関、認証機関を対象としたISO/IEC 17021(適合性評価―マネジメントシステムの審査及び認証を提供する機関に対する要求事項)についての研修
  6. オフィシャル・ディナー(MLA調印式)
  7. 総会(写真1参照)
  8. オープンフォーラム
各プログラムの概要

1. SACセミナー
「アジア太平洋地域における認定及び認証活動の展望(Future directions)と題して、Nilsen PAC議長、シンガポールの認定機関SACのPhua氏、アジア認証機関連盟(AACBF)代表Roberto Lorenzoni氏等、計7名によるプレゼンテーションがあった。

2. CMC (Communication and Marketing Committee:広報委員会)
PACで実施する普及広報活動について報告及び対策についての検討が行われた。
  1. PAC Webサイトの使い勝手(user-friendliness)についての提案。
  2. ニューズレター(Issue 6)の発行及び発行回数の提案(PACの存在の周知、各メンバー機関自身の認知度向上)。
  3. 毎年年次総会後に新規加盟メンバーの情報を加えたPromotional CDの改版。
  4. PAC Brochure(パンフレット)の発行。
  5. Information Letter(PAC新規加入メンバーを募るための案内状)の発行。
  6. IAF/ILACのCMCへの継続的参加。
3. DPC (Developing Program Committee:プログラム開発委員会)
PACで実施する研修についての報告、及び今後開催すべき研修についての検討が行われた。
  1. 前回総会以降に実施された研修(ISO/TS 22003、ISO/IEC 27006)及び次回研修(ISO/IEC Guide 65)についての報告。
  2. 2008年〜2009年に研修の実施を希望する規格についてのアンケート分析結果の報告。 特に以下の分野について、メンバーの高い関心が寄せられた。
    • ISO/IEC 14065:2007 温室効果ガス−認定及びその他の承認形式で使用するための温室効果ガスの妥当性確認及び検証機関に対する要求事項
    • ISO/IEC 17024:2003 適合性評価−人の認証を実施する機関に対する一般要求事項
    • Witnessの実施、審査員の力量評価について共通の認識を得るためのワークショップ
4. TC (Technical Committee:技術委員会)
IAF TCについての報告及び今後提案すべき事項について検討が行われた。
  1. IAF TC(2006年11月カンクン及び2007年3月サンフランシスコ)の議事報告。
  2. IAF TCのWGに代表として出席したPACメンバーによる、ISO/IEC Guide 65、17021、14065、17011、27001、20000等についての報告。
  3. PAC 管理文書についてはIAF文書との整合性を図るため、文書の廃止・改版等を作業中。
  4. IAFでは、MLA加盟機関の海外クリティカルロケーションに関するデータベースを作成中。
  5. IAFのPeer Evaluation Processに関し、認証機関が実施する審査をPeer Evaluation チームがWitnessすることについては、認定機関の負担増を懸念。
5. ISO/IEC 17021研修
認定機関、認証機関から約50名が出席し、ISO/IEC Guide 62、66からの変更点などを中心に積極的な質疑が行われた。認証機関からもの出席者も多く、実際の審査の現場での経験も引き合いに出しながら活発な議論が行われた。

6. オフィシャル・ディナー(MLA調印式)
新たにMLAメンバーに加盟した7機関と、Nilsen議長による調印式が行われた。
 QMS: BoA/STAMEQ(ベトナム)
 EMS: NABCB(インド)、PAO(フィリピン)
 製品: SAC(シンガポール),ANSI(アメリカ),KAS(韓国),TAF(台湾)

7. 総会
  1. EC(理事会)からの報告。
    • ECメンバー任期満了に伴う後任の選出
    • 現在PACメンバーはフルメンバー18機関、アソシエイトが5機関の合計23機関 JIPDECのフルメンバー昇格が発表(写真2参照)
    • 新規加盟機関勧誘のため、以下の国々への情報提供 ブルネイ、インド(認証機関連盟)、パプアニューギニア、北朝鮮、ペルー、ウズベキスタン、モンゴル、ブータン
  2. PAC Strategic Plan: IAFのStrategic Planが2006年11月に承認されたことに伴う、PAC Strategic Planの改版。
  3. 財務監視委員会からの報告。
    • 会計報告及び予算案が提示され、投票により予算を承認
    • 2008年〜2009年に実施する研修についての予算を承認
  4. MLA署名機関。
    • QMS:15機関 (新規加盟 BoA/STAMEQ)
    • EMS:11機関 (新規加盟 NABCB、PAO)
    • 製品:7機関 (新規加盟 SAC、ANSI、KAS、TAF)
  5. IAFの地域グループ等との連携。
    • PAC-APLAC MoU署名
    • IAAC(南北アメリカ認定協力機構)とは、近々に署名
    • SADCA(南部アフリカ認定協力開発機構とは、MoU署名に向けて協議開始
  6. CMC活動の確認。
  7. MLA MC (Management Committee)報告。
  8. 理事会メンバーの選任。
  9. 次回以降の総会開催地。
    • 第15回(2008年) クアラルンプール (Standards Malaysia主催)
    • 第16回(2009年) 台北 (TAF主催)
8. オープンフォーラム
今後のPAC戦略計画について、意見交換が行われた。
  • 開発途上国、中でも中小企業における認証取得を促進するため、APEC基準・適合性小委員会の支援も仰ぎながら、セミナー、ワークショップ開催などの要請に応える活動を行う。
  • 非認定取得機関による認証についての継続的な議論を行う。
  • 認定及び認定取得機関による認証の意義、重要性についての意識を高める活動が必要であり、Webサイト、ニューズレター、プロモーションCD、パンフレットなどを用いた広報活動が重要である。
 

以上